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はじまりは、ケトン食ってなんだろう。

ヘルスクリエイト・萩原圭祐さん × 日本政策金融公庫・金井佑樹さん

ヘルスクリエイト・萩原圭祐さん × 日本政策金融公庫・金井佑樹さん

JAM BASEで起こる共創の裏側を聞いていく企画、JAMMING STORY。
記念すべき第1回は、大阪大学発のベンチャー、株式会社ヘルスクリエイトの萩原圭祐さんと、日本政策金融公庫 大阪スタートアップサポートプラザの金井佑樹さんのお二人にお話を伺いました。

萩原 圭祐(はぎはら・けいすけ)

株式会社ヘルスクリエイト 代表取締役/医師・医学博士
1994年、広島大学医学部卒業。大阪大学大学院で博士課程を修了。内科・リウマチ・漢方の指導医として、医師歴は30年。2013年から、日本の基幹病院で初となる「がんケトン食療法」の臨床研究を進め、日本・アメリカ・シンガポールで特許を取得。2022年、研究成果を社会に届けるため、大阪大学発ベンチャー・株式会社ヘルスクリエイトを設立。日本ケトン食療法学会 理事長。著書に『ケトン食の名医が教える 糖質制限はやらなくていい』(ダイヤモンド社)。ビジョンは「健やかで、幸せな日常を、みんなのものに」。

株式会社ヘルスクリエイト https://healthcreate.co.jp/

金井 佑樹(かない・ゆうき)

日本政策金融公庫 大阪スタートアップサポートプラザ
2010年に南都銀行に入行。東大阪や尼崎などのモノづくりが盛んなエリアで法人営業の新規開拓担当として従事後、2017年に政策金融の担い手である日本政策金融公庫にキャリア入庫。銀行での業務経験を活かしながら、主に創業融資の審査業務に携わる。現在は、2024年4月に新設されたシード〜アーリー期のスタートアップ支援を行う拠点「大阪スタートアップサポートプラザ」に所属。スタートアップの融資相談及び審査業務ほか、イベントの企画運営を担う。

日本政策金融公庫 https://www.jfc.go.jp/n/finance/startuppop/

研究が、社会に届かない

お二人が初めて会ったのは?

金井佑樹(以下、金井) 確かJAMMING PARTY※1だったはずです。そこでご挨拶して。名刺を見たら大学の先生だったので、難しい人なのかなと、ちょっと緊張していました。でも、話してみたらとても、気さくな方でした。

萩原圭祐(以下、萩原) 私にとっては、日本政策金融公庫さんとの接点が、それまで生活の中で全くなかったんですよ。金融というと、どうしても堅いイメージがあって、ちょっと身構えましたよ。でも、見ての通りとても優しい方で。ありがたかったです。

萩原さんは、医師から経営者になられました。

萩原 大学では特許も取って、論文も出して、研究者としてやることはやったんです。でも、その成果が患者さんのところまで届かない。社会実装が進まないのが、ずっと悩みでした。

転機があったと。

萩原 大学にいた頃に、社会実装への足がかりとして、ケトン食※2のクラウドファンディングをやったんです。そしたら、開始30分で達成しまして。

30分!?

萩原 月曜の朝に電話が鳴って。てっきり「頑張ってください」と励まされるのかと思ったら、「おめでとうございます、もう達成です」と。後で知ったのですが、その大半が、ケトン食を続けておられた患者さん、お一人からのご寄付でした。でも、達成時には、すでに亡くなられてしまっていたと。

言葉を選びながら、萩原さんは続けます。同じように寄付を寄せてくれた人は、その方だけではなかったといいます。

萩原 何人もいらしたんです。それで、ああ、本当に求めてくれている人がいるんやな、と。これはもう、自分がやらなあかん。そう思って、大学を飛び出しました。

家庭教師、みたいでした

融資の話は、どちらから?

萩原 たぶん私からお願いしたと思います。実は、ここに入る前に数社と契約を進めていたんです。会社の基盤になる話で。ただちょっと苦労していまして。そのタイミングで、金井さんにお会いできた。正直、神様かと思いました。

金井 最初にお話を伺ったとき、ケトン食が全く分からなくて。帰りの電車で「ケトン食って何なんだろう」と調べたのをよく覚えています。後日、お話を詳しく聞かせていただき、ケトン食について理解することができました。そして、萩原さんの遠い将来だけでなく、目の前のことも着実に進めていくという想いに共感したほか、創業の背景も含めて、応援したいなと思いました。

萩原 もう、家庭教師についていただいた感じで。いいパターンと悪いパターン、二つのシートを作ってくださって。受験でいうA判定とC判定みたいなものです。C判定でも会社が回るように、最悪のシナリオまで一緒に考える。一手で駄目なら、二手三手先まで。プランB、プランCまで描いておかないと、会社は維持できないんだと、教わりました。

金井さんは、何を見て「ここなら」と判断するのですか。

金井 創業間もない場合、実績はこれからという場合がほとんどです。だからこそ見るのは、経営者ご自身の力、創業の背景、目の前のことを着実に考えているか。そして売上や収益の見通しを、強気の数字と、保守的な数字の両方でシミュレーションし、保守的なパターンでも資金が回ると判断できれば、ご支援できるのではと考えています。

美味しいのに、体にいい

ちょうどその頃、商品も生まれました。

萩原 コスモス食品さん※3と一緒に開発した、ケトン食用のフリーズドライ。融資をいただいた時期に、ちょうど契約を詰めていました。2026年の5月から一般販売※4しています。一食およそ200キロカロリー、糖質は6.3グラム。小腹がすいた時に食べても腹持ちがよくて、太りづらい。むしろ体が元気になります。

ポイントはどこに。

萩原 栄養設計です。きちんとケトン体が出る設計をしながら、美味しい。普通、体にいいものって、美味しくないでしょう。美味しいものを食べていたら、たいてい体に悪い。逆なんですよ、うちは。美味しく食べていたら元気になった、という。漫画みたいですけど、それができたんです。

萩原さんによれば、買い求めるのは患者さんだけではないといいます。

萩原 始めて分かったのですが、検診でちょっと引っかかる、少し調子が悪い。そういう方が世の中にはたくさんいて。みなさん、欲しがられるのです。

毎週、この曜日に、この人がいる

これは、JAM BASEだからできた。そう言えますか?

萩原 間違いなく、JAMBASEだからできました。あのまま大学にいたら、絶対に無理でしたね。これだけの人に会えていないし、日本政策金融公庫の方とこうして話せるようにもなっていない。

金井 イベントだと、その瞬間は会えても、「また今度」がなかなか続かないんです。でもここは、毎週この曜日に、この人がこの場所にいる、というのが分かる。掲示板もある。だから、会える確率がとても高い。

その後も、二人の関係は動き続けています。

萩原 販売に向けて、また金井さんに相談しました。他にも金融機関を紹介していただいて、そこからも融資を。会社として、一段ずつ階段をのぼれている実感があります。

金井 成長が、目まぐるしいんです。手堅く見ていた成長プランを、予想を上回る速さで進んでおられる。人柄もあるのでしょうね。JAM BASEのみなさんから応援されている。周りが応援したくなる経営者だな、と思います。

最後に。次は、どんな人と出会いたいですか。

萩原 営業に強い人ですね。製品は、いいのができた。あとはどう広げるか。私は営業をやってきた人間ではないので、そこについて教わりたいんです。

金井 私は、ヘルスクリエイトさんのように、今まさに新しいことを始めようとしている人、始めたばかりの人と、もっと出会いたい。そういう方から、刺激をいただきたいです。

※1 JAMMING PARTY … JAM BASEが毎月開く入居者交流イベント。

※2 ケトン食 … 糖質を抑え、脂質を増やすことで体内に「ケトン体」を生み出す食事法。

※3 コスモス食品 … フリーズドライ食品メーカー。https://www.cosmosfoods.co.jp/

※4 発売開始リリース … https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000035548.html

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