「キャノピーbyヒルトン」が日本初上陸、大阪の魅力を映すライフスタイルホテルの魅力とは

2024.04.23

スリジャン・ヴァデラ

2024年9月にグラングリーン大阪で開業する「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」。世界的ホテルチェーン ヒルトンが展開する地域密着型のライフスタイルホテルだ。大阪の魅力を映す新しいホテルについて、同ホテル総支配人のスリジャン・ヴァデラさんに聞いた。 キャノピーbyヒルトンは、ヒルトンが2014年にスタートさせたライフスタイルブランド。「Neighborhood(以下、ネイバーフッド)」をブランドコンセプトに、その土地に根差し、まちの特性を生かしたデザインやサービスを展開する。キャノピーbyヒルトン大阪梅田は、地上26階・地下3階の複合商業施設であるノースタワーの10階から25階の高層部分に加えて1階にカフェを構える。建設中のホテルを背に、朗らかな笑顔で出迎えてくれた総支配人のスリジャンさんは、同ホテルのブランドコンセプトをこう語る。 「キャノピーbyヒルトン大阪梅田は、大阪のクールな文化とローカルな要素を取り入れたライフスタイルホテルです。トレンドを押さえたフード、ライフスタイル、ウェルネス、テクノロジー、モダンなデザイン、そしてローカルな文化と、それらすべてが一緒に提供される場なのです。大阪という街の特徴とも言えると思いますが、多様なものをミックスする“ごちゃまぜ文化”にマッチしたものだと言えます」

若い頃はインドの日本食レストランで働いたこともあるというスリジャンさん。大阪を訪れた最初の夜にお好み焼きを食べに行き、また日本のアニメにも親しむなど日本文化に造詣が深い。

大阪らしさを表す要素のひとつとして、大阪人の気質であるユーモアがある。同ホテルの内装デザインを手掛けた株式会社日建設計は、そのユーモアを切り口に地域独自の特色を持ったデザインを生み出した。エントランスホールの天井には、大阪のソウルフードであるたこ焼き用鉄板をモチーフにデザインした照明があるなど、旅の高揚感をかきたてる仕掛けが随所に施されている。 「ホテルのエントランスでは、キャノピーbyヒルトン大阪梅田のモダンでユニークなデザインがお客さまをお迎えします。ロケーションとしても、グラングリーン大阪のみどりを十分に感じることができる場所でありながら、大阪の街の賑わいなどローカルな文化も楽しめる場所です。そういった意味で、他のホテルとは一線を画す空間をご提供できると思います」 キャノピーbyヒルトン大阪梅田の総支配人に就任するまで、インドのベンガルールにある「コンラッド・ベンガルール」や5つ星ホテル「フェアモント ジャイプール」などで総支配人を務め、世界のさまざまなホテルを知るスリジャンさん。ホテルが誕生するグラングリーン大阪のまちのポテンシャルについてこう語る。 「これまでたくさんの国に旅行し、さまざまな都市を見てきました。大阪駅はコネクティビティという点においても世界有数ですし、交通ネットワークに関しても大阪駅から関西国際空港までの所要時間が約47分となり、京都や和歌山方面へもアクセスしやすい。この場所を拠点としてさまざまなデスティネーション(行き先)につながっていけるのではないかと思います」 とくに期待しているのが、未来都市としての姿だという。 「グラングリーン大阪は、未来都市が目の前にやってきたかのような街になるのではないかと思っています。みどり豊かなロケーションのなかにオフィスやホテル、商業施設があり、環境、テクノロジー、ウェルビーイングといった分野でも新しい技術や発想がどんどん生まれていく。この場に訪れる人や住民たちが交わり心地良いコミュニティが形成され、新しいライフスタイルを生み出していく、それを実際に自分自身が体験できるというのが今からとても楽しみです」

「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」があるノースタワーの低層階には、商業施設や中核機能施設「JAM BASE」も入居もあり、滞在するお客さまにさまざまな体験を提供できる場所となっている。

ホテルが入居するノースタワーには、産学官民交流拠点となる中核機能施設「JAM BASE」もオープンする。イノベーションが生まれる環境は、キャノピーbyヒルトン大阪梅田に滞在するお客さまにとっても親和性が高そうだ。 「まさに私たちのお客さまも、探求することが好きな現代のNomad(ノマド)であり、自分たちが何を求めているかを知っていると同時に、非常に現代的なひねりを加えたローカルな文化を体験したいと思っている人たちです。そうした日本人や外国人どちらのお客さまにもご満足いただけるような、素晴らしいお食事とお飲み物、モダンなデザイン、ウェルネス、広々としたデザイン性の高いお部屋をご用意しています。お客さまが自身のライフスタイルに合うものを発見し、その街での経験と新しい発想やひらめきで旅を満たしていく、そういったホテルステイを愉しむ方々を引き寄せるようなホテルでありたいと思います」

所在する都市にあわせて、デザインをアップデートする地域密着型のホテル「キャノピーbyヒルトン」。「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」の内装デザインは、大阪の気質であるユーモアを切り口にしながら、そのユーモアをキャノピーらしいデザインとなるように昇華させている。

同ホテル11階に位置するキャノピーbyヒルトンブランドのハブである「キャノピー・セントラル」は、レセプションやロビー、バーが一体化し、「ネイバーフッド」を象徴した空間だ。滞在客だけでなく地域の住民やオフィスワーカーなど多様な人々が交流する起点となる。ホテルのフレンドリーな空気感を醸成し、人々の交流を促す大きな役割を果たすのがチームメンバー(従業員)だ。スリジャンさんは、前任のインドのコンラッド・ベンガルール総支配人在任中に「Luxury GM of the Year 2021 – 2022(South Zone at the BW Hotelier Awards)」や「Luxury Hotel General Manager of the Year 2021(Indian Hospitality Excellence Awards)」を受賞し、卓越したリーダーシップと温かなホスピタリティが際立つ。チームメンバーの育成や総支配人の役職に必要なスキルやマインドは何かという問いに、スリジャンさんはにこやかだが真剣な眼差しでこう答える。 「素晴らしいホテルになるかどうかは、総支配人の人となりやマネジメント力次第。つまり総支配人がそのホテルを映す鏡であるということは事実です。ですので、お客さまに対しては当然のことチームメンバーに対してもホスピタリティを持って接する必要があると考えています。チームメンバーを勇気づけ、励まし、癒やしてチーム全体のモチベーションを向上させ、個々の実力を発揮できる環境を整えていくこと、そうして生まれたエナジーはお客さまにも必ず伝わります。その文化をつくることが自分に求められる重要な役割で、総支配人にとって必要なスキルだと言えます」 我が家に招くようにお客さまを心から歓迎する、そうした真心がこもったサービスを提供していきたいというスリジャンさん。温かなホスピタリティに包まれた心地良い滞在は、新しいまちの印象とともに旅の記憶として深く刻まれるに違いない。

スリジャン・ヴァデラ
ホスピタリティ業界で25年以上の豊富な経験を持ち、さまざまな著名ホテル・チェーンにて要職を歴任。インドのシリコンバレーと呼ばれるベンガルールにある「コンラッド・ベンガルール」の総支配人着任中にマーケットシェアを拡大し、稼働率を大幅に向上するなど手腕を発揮。インドのホテル業界において顕著な功績をあげた総支配人を表彰するBW HOTELIER主催の「Luxury Hotel General Manager of the Year(Indian Hospitality Excellence Awards)」など数々の受賞歴を有する。