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JAM BASE開業記念イベント「HANDOVER FOR 2030」レポート

開催期間

  • 2024.09.06 (金) 2024.09.06 (金)

開催場所

  • グラングリーン大阪北館 JAM BASE4階Syn-SALON、5階CONFERENCE 5-1&5-2

JAM BASE開業記念イベント「HANDOVER FOR 2030」レポート

2024年9月6日、グラングリーン大阪のイノベーション拠点「JAM BASE」が開業。約250名の関係者とともに、キックオフイベント「HANDOVER FOR 2030」を開催しました。

100年、200年先を見据え、みどりとイノベーションの融合拠点を大阪に

左から、オリックス不動産株式会社 専務執行役員 髙橋豊典・大阪府知事 吉村洋文氏・大阪市長 横山英幸氏

イベントは、一般社団法人コ・クリエーションジェネレーター代表理事で、オリックス不動産 専務執行役員の髙橋豊典の挨拶、そして、大阪府知事 吉村洋文氏、大阪市長 横山英幸氏による祝辞からスタート。うめきた開発構想に深く関わる吉村府知事は、「100年、200年先を見据え、大阪の中心拠点である梅田のまちづくりを考えるにあたり、ライフデザインイノベーションをテーマにしました。人間の本質的な欲求に欠かせない緑を都心の“ど真ん中”に取り入れ、そこにイノベーションを重ね合わせることで、大阪から新しい技術や価値が生み出されると考えています。その中心拠点がJAM BASE。民間企業、行政、大学などが“ごちゃまぜ”になって化学反応を起こすことを期待しています」と、JAM BASEへの期待、また存在意義について語りました。

スタートアップ成長のキーワード、そしてAI普及社会への展望

株式会社メルカリ取締役 President(会長)兼 株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長 小泉文明氏

OpenAI Japan合同会社代表執行役社長 長﨑忠雄氏

基調講演は、株式会社メルカリ取締役President 小泉文明氏と、OpenAI Japan合同会社代表執行役社長 長﨑忠雄氏。小泉氏は、メルカリの歩みを紹介するとともに、「スピード感と大胆な決断」「多種多様な人材」「ユーザー中心のサービス開発」「グローバル市場での成長」といったスタートアップ成功のための視座を示しました。 長﨑氏は、「全世界の人々に利益をもたらす人工汎用知能(AGI)を創造する」というミッションに基づき、企業のAI導入が業務効率化、意思決定の支援、顧客満足度の向上に貢献し、AIの普及がより良い社会を生み出す可能性について言及しました。

既成概念を超える、アニマルスピリッツで新しい産業を

官民一体となったイノベーション支援組織であり、JAM BASEを拠点に、関西・大阪のイノベーション創出を支援する一般社団法人うめきた未来イノベーション機構代表理事の中沢則夫は、みどりとイノベーションの融合の意義を紹介し、挑戦する人々を支援するという決意を示しました。

一般社団法人うめきた未来イノベーション機構 代表理事 中沢則夫

2030年に向けて、AI活用の視座

開業記念イベントでは3つのセッションが行われました。一つめのセッション「AI×ものづくり、ディープテックの次世代パラダイムで開かれる関西経済の未来」では、さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中邦裕氏をファシリテーターに、AVITA株式会社 取締役COO/副社長 西口昇吾氏、ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター 副センター長 三谷太郎氏、国立研究開発法人産業技術総合研究所 関西センター所長 辰巳国昭氏が登壇しました。

さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中邦裕氏

「日本国内におけるスタートアップへの投資環境は厳しい状況ですが、ディープテックやAI技術を持つスタートアップには投資が集まっています。大学とスタートアップの連携が重要です」と田中氏の発言でセッションがスタート。

AVIITA株式会社 取締役COO/副社長 西口昇吾氏

その後、西口氏による「アバター技術での新しい働き方」や、三谷氏の「人の健康や生産性を向上させる空気・空間の創造」といった、各社の具体的なオープンイノベーション、またAI活用への取り組みが語られました。

ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター副センター長 三谷太郎氏

国立研究開発法人産業技術総合研究所 関西センター所長 辰巳国昭氏

イノベーション・エコシステムに向けた産業支援機関の役割とは

二つめのセッションでは、阪急電鉄取締役兼一般社団法人うめきた未来イノベーション機構(U-FINO)理事の諸冨隆一がファシリテーターを務め、一般社団法人京都知恵産業創造の森 理事 足利一平氏、公益財団法人大阪産業局 スタートアップ支援事業部長 中村奈依氏、神戸市観光経済局 副局長 瀬合達也氏の3名の京阪神産業支援機関を代表するキーマンを招きました。3名の登壇者と「関西圏の産業化支援機関連携によるエコシステム発展に向けて」をテーマにU-FINOが先行して活動する京阪神の支援機関とどのように連携していくべきかの議論が展開されました。

一般社団法人うめきた未来イノベーション機構理事 諸冨 隆一

冒頭で、諸冨氏は「関西には、大学や研究機関、企業が集積しており、イノベーション創出のポテンシャルが高い地域。近年、大学からベンチャーを生み出し、日本の産業を変えていこうという大きな流れが間違いなくあります」と述べ、現状認識を共有。大学発スタートアップや産学連携の活性化を目指し、産業化支援組織同士の連携強化に向けた課題が登壇者から共有されました。特に、海外からの起業家やビジネス人材の誘致、AIコミュニティ形成などに関しては、地域に縛られず支援機関が協力して取り組むべきとの認識が一致しました。

一般社団法人京都知恵産業創造の森 理事 足利一平氏

公益財団法人大阪産業局 スタートアップ支援事業部長 中村 奈依氏

神戸市観光経済局 副局長 瀬合達也氏

HANDOVER FOR 2030〜イノベーション・エコシステムをアップデートせよ〜

開業イベントの最後を飾ったのは、NewsPicks「NewSession」の公開収録です。メルカリ小泉氏、さくらインターネット田中氏、YAZAWA VENTURESの矢澤麻里子氏によるトークセッションが行われました。日本のスタートアップやイノベーションエコシステムの課題や展望について熱い議論が繰り広げられたこの収録は、NewsPicks「New Session」のYouTubeチャンネルで配信しています。ぜひご覧ください。

 

前編|大企業とスタートアップの共創は可能か? 

 

 

後編|スタートアップ活性化の突破口とは?

 

いよいよ動きだしたJAM BASE。“関西最後の一等地”とも呼ばれる「うめきた」が、次世代へとバトンをつなぐイノベーションの集積地となれるのか、その挑戦は始まったばかりです。しかし、登壇者や参加者の熱意から、その可能性の一端を感じることができたキックオフイベントでした。JAM BASEでは今後も「まざまざとさまざまがまざるさま」を体現するイベントを続々と開催していく予定です。どうぞご期待ください。

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